ソウル国立中央博物館の至宝(6)満月の壺タルハンアリ la pleine lune…

満月のように大きく白い壺「タルハンアリ」。雪が静かに降り積もり、満月の照らす光景がビデオで映し出されて、白磁の壺の美しさが目に焼きつくようでした。(少し長いですがビデオをゆっくり見てください。)

白磁壺 Moon Jar, White porcelain, Joseon dynasty, late 17th 

タルハンアリ(白磁大壷) (国立博物館の解説)
白磁は粉青沙器とともに、朝鮮を代表する陶磁器である。粉青沙器は比較的短い期間の間に作られたが、白磁は朝鮮時代の全体にわたって制作・使用された。儒教の理念を現実世界に実現させようとした朝鮮王室と両班の思想と生活において、装飾を抑えた白磁の純粋な美しさはもっとも相応しいものだった。したがって王室や中央官庁で使われる白磁を制作するための専門の官庁である司饔院(サオンウォン)および京畿道(キョンギド)・広州(クァンジュ)の制作所、分院が設置された。

朝鮮時代を代表する陶磁器の一つ。タルハンアリとは月壷という意味であり、望月のように丸く、大きいという意味で名付けられた。柔らかくゆったりとした曲線、堂々たるボリューム感が落ち着いた雰囲気を漂わせる。このような形のものは17世紀に多く作られた。

一度に作るには大きすぎるので、上部と下部を別に制作してくっつけた。中央の部分をよく見てみると、接続させた痕跡が見える。

This type of large white porcelain jar with a height of more than 40 centimeters. With a round, voluminous body, a nearly 1:1 ratio between the height and the widest diameter, and a milky white color, these jars are often referred to as “moon jars” for their resemblance to a full moon. Moon jars are one of the most iconic vessels representing the artistic achievement of Joseon white porcelain.

長々と載せてきましたが、ソウルの「中央博物館」訪問の記録はこれでおしまいです。
あとからいろいろと調べたことを羅列したのでブログのなかでは読みにくい資料みたいな感じになったかもしれません。
なにしろ素晴らしい名品がたくさんあって、短い時間の訪問だけでは消化不良気味だったので、少しでも記憶にとどめたいと思ったのです。そのため写真に撮ってきたものから遡ってまとめました。

なかには「日本統治時代に持ち去られたが、後に返還された」と記されたものもあったり、優れた作品を遺した文人が「独立運動に加わり有罪判決を受けて2年間投獄された」という経歴だったりと、歴史の爪痕を感じる場面もあります。
この博物館そのものがこの場所に設置(移設)されたのは、2005年、龍山基地からアメリカ軍が移転した跡地に移転したということです。なるほど新しい建築を国の威信をかけて作ったことが伺えます。

近くて遠い国、豊かな歴史と伝統を持つ誇り高い韓国。
また機会をとらえて、もっといろいろな場所へ行ってみたいものだと思います。

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