3月3日(木) 友人のアイルランド滞在最終日、いっしょにTrinity Collegeへ行きました。
何度も行った場所ですが、コロナ禍のあと初めてでした。
わりあい中が狭くて、以前はごちゃごちゃしていたのですが、さすがにきちんと動線が整理されて、同じスペースなのにずいぶん広々して、ゆっくり見られるようになった印象でした。
ケルズの書の展示そのものは、とても暗い部屋に、2ページ分だけが開かれた状態の聖書がガラス箱のなかに鎮座しています。
ちょうど今週から復活祭へ向かっていく時期であるためか、受難の部分が開かれてあったみたいです。
Trinity College Dublinがオンラインで公開しているので、こちらで見られます。
展示は、アイルランド各地で発見された他の古い写本も含めての由来や、使われている飾り文字の変化に富んでいること、染料は植物や鉱物を利用して鮮やかな色を出していること、紙でなく薄く均一になめした羊皮紙に雁の羽のペンで書いたことなどの解説です。
写本の作業をしていた修道士たちは、当時 壮年であるとみなされた18歳から20歳ぐらいの人たちだったそうです。
目が良くなければできない作業、環境もおそらく薄暗くて、非常に細かい作業だったので、年取ったひとはできなかっただろうということでした。
現代の人間には想像もできないような、祈りに満ちた世界ですね!!
ケルズの書は、スコットランドのアイオナ島にあったものを、修道士たちがアイルランドへ持ってきたと言われています。







キリストの受難を目撃し、後世に福音を伝えた使徒 聖ヨハネ。
右手にペンを持っていて、右の足元に茶碗みたいな形のインク壺がある。
背後に別の人間の足と手が出ている。これはおそらく受難したキリストの手足を意味している。


今回はケルズの書の展示部分の解説が、専用のアプリをその場でダウンロードできるようになっていました。ダウンロードして聴いてみると、自動的に日本語になっていてびっくりしました。
その場でも聴けるし、家に帰ってからでもゆっくり聴き直すことができて、すごくわかりやすい解説。嬉しいです!
細かく聴き直したら、またブログで紹介しよう。
