ヴァンゴッホの夢、広重の旅、そして ・・・Les rêves de Van Gogh, le voyage de Hiroshige et…

「播磨の国 舞子の浜」

Le premier jour, dès l’arrivée à Paris, je suis allée visiter les expos couplées de la Pinacothèque de Paris, de Van Gogh et de Hiroshige. Absolument extraordinaires, les deux… vraiment géniales et oui, j’avais entendu des essais qu’avait faits Van Gogh de renprendre les traits dans des estampes japonaises – comme par exemple cet arbre que j’avais vu à Tokyo (cliquez ici), mais j’étais vraiment étonnée de voir cette fois-ci de voir qu’il avait vraiment poussé ses analyses jusqu’au bout, d’une manière frénétique même, jusqu’à s’en persuader qu’il pourrait trouver ‘le Japon et ses paysages’ en partant dans le Sud. C’était peut-être ainsi qu’il a voyagé – très très loin, trop loin – dans ses rêves.

Ensuite ces collections de Hiroshige, dans la deuxième expo, de l’autre côté de la rue!!! Quelle merveille!!! J’ai toujours beaucoup aimé les estampes de l’époque, nous en avons même un original à la maison à Tokyo… mais de voir les trois séries à la fois – complètes en plus- de Tôkaidô, de Kiso Kaidô et de Edo Meisho Zue, c’était quelque chose d’inimaginable. D’habitude, on en voit quelques uns, même au Japon, jamais les ‘trajets en entier’ comme cette fois-ci.

Du coup, je me suis vraiment ‘régalée’ … c’était comme si je m’étais rendue à l’époque de Edo, à retracer ces chemins moi aussi.

こんなふうに 広重とゴッホの構図が酷似している。
Comparaison de Hiroshige / Van Gogh
C’est frappant de constater que celui-ci avait
si attentivement étudié des oeuvres de l’artiste japonais pour
introduire la même composition dans ses dessins!

パリ一日目。ヴァンゴッホと広重の展覧会を見にPinacothèqueへ行きました。

ピナコテークPinacothèque de Parisは、マドレーヌ広場のFauchonの横をちょっと入ったところにあります。前に「ドイツ表現主義」の展覧会を見たことがありました。
今回は、ずいぶん混んでいるような感じだったので、出かけるまえにオンラインで切符を買っておきました。スムーズに入場できて、たっぷりと2つの展覧会を満喫。素晴らしい内容!!!! 滅多に出会ったことのない凄い企画でした。

19世紀後半 ヨーロッパへ伝わり、たちまち熱狂的に受け入れられた浮世絵・・・当時パリにいて、斬新な光を、構図を求め活発に活動しゴーギャンと交流していたヴァンゴッホも、浮世絵の題材や構図を克明に研究して自分の仕事に取り入れ、夢中で創作に励みました。弟テオにあてた手紙にも、そのことをたびたび記しているのだそうです。
日本のものの見方、強い光に憧れ、「南仏へ行けば日本に遭える」と旅立ったゴッホ。「ヴァンゴッホの夢」 と題した第一の展覧会では、ゴッホの作品と元の浮世絵が並べてあり、その仕事の軌跡がたどれるようになっています。

ゴッホが 浮世絵に魅了されて影響を受けたということは聞いた事がありました。たとえば東京で見た展覧会にも、そんな作品が来ていましたが(ここをクリック)・・・ でも、こんなに徹底的に構図を研究し尽くしていたとは!

一方、道をはさんだ別の建物では「広重」の東海道五十三次、木曽街道六十九次、名所江戸図絵・・・ オーストリアからパリへ来て、江戸時代の日本の「旅人」の世界に飛び込んだ気分。
こんなに数多くの、しかも保存状態の良い浮世絵の一堂に会しているところを見たのは、初めてです。びっくり・・・心からうれしくて 幸せな気分になりました。

 そしてさらに・・・ この2つの展覧会と同時に、Denis Rouvre  ‘Low Tide’ カオスの日本  と題した写真展が開催されていたのです。
(つづく)

これも・・・ … et ça aussi!
Surprenant…
花魁や梅の木などのテーマで浮世絵を模写したことは知られているけれども、こんなふうに 同じ構図で違う絵を描いてもいたのですね。ビックリしました。
こちらは広重の展覧会のカタログから。 雪深い道で難儀する旅人たち。お馬と雪・・・ うちの村と共通点が・・・ 
Maintenant, je suis dans l’expo de Hiroshige, parmi ses Japonais vooyageurs de Tokaidô ou de Kiso-Kaidô…
Je me sens proche d’eux, avec la neige à Breitenbrunn en ce moment!

一休みして 飲み食いする人たちの話し声が聴こえそう! On entend presque ces gens parler entre eux…
Une petite pause sur le chemin et ils mangent leur bentô?… ou un bol de nouilles?
名所 江戸百景のうち 「吾妻橋 金龍山遠望」 
風にのってきた桜の花びらが川面に・・・ ぎーこ ぎーこ と船頭さんの漕ぐ櫓の音が聴こえます。
美しい(かどうかは後ろ姿しか見えないからわからないけど )お姐さんは のんびりと舟の動きに身をまかせる
けだるい春の日・・・ うう〜む  日本の春だあ〜!!!!
Les pétales de fleurs de cerisier transportées par le vent, qui tombent dans l’eau de la rivière
et on entend le rameur chanter, la dame au kimono respire l’ambiance de printemps…

「四ッ谷 内藤新宿」  えへへ 現代の四ッ谷には かの大学が・・・ ^^;  
馬の落とし物!!  高層ビルの立ち並ぶ新宿は 宿場だったのですものね。江戸時代 大好き!
C’est ‘Yotsuya – Naitô Shinjuku’.  Le temps moderne à Yotsuya, c’est l’université pour moi avec plein d’étudiants…
mais là c’était des chevaux qui ….  😉   et puis Shinjuku-grattes-ciel était la première station pour des voyageurs à pied!

Tiens? Je l’ai vu quelque part…. je crois qu’on a le même à la maison à Tokyo…
あれ? どこかで見たような。実家にあるぞう。同じものが・・・

10 thoughts on “ヴァンゴッホの夢、広重の旅、そして ・・・Les rêves de Van Gogh, le voyage de Hiroshige et…

  1. おぢたま、ほんとにそのとおりだね。
    単なる憧れだけだったら、ここまで克明に研究し尽くしただろうか? 狂気につながっていく夢中になりかただよね。
    たしかに、この一連の絵を書いていたころ ゴーギャンといっしょに共同体的に住もうと提案していて、そのあと南仏に行ったのだけれども・・・ 手紙には、自分を「仏教の修道僧」にたとえているというところもあったのだそうです。
    外界から孤立して究極まで究めようとする必死さが凄かったのだなーと思った。
    そしてそれが、最後の破局的な出来事「耳切事件」につながっていったんだね。

  2. おーー、そーいうことが書いてあったとな。ふ~ん、感心しちゃうなあ。

    まあゴッホの晩年の作品はやはり狂気をはらんでいると思うのね。で憧れの日本への気持ちが膨らんでいたことも確かだと思うのね。

    そのふたつが分かちがたく混然となっての傑作の数々だと思うな、おぢたま。

  3. junjun、こういうふうに並べて見せる展覧会って、誰が考えたの???と感激してしまったよー
    そして ↑ 展覧会の最初のイントロで 上のように述べられているのをみて、ふうーむ ちょうど 日本から浮世絵が流れ込んで来て、ジャポニスムに夢中になった時代に生きたヴァンゴッホだものねー と時代を感じたよ。
    日本ってやっぱりヨーロッパから見ると、ほんとうにエキゾチックで異質なもの。それは今でも変わらない。
    江戸時代にこんな斬新な構図を考えていた広重は、すごいね!
    展覧会は平日だったこともあって、年配の女の方のともだちどうしで来ている方とかが多くて、さっちゃんが日本人だなと思って話しかけてくる方とかもあって、とても素敵だったよ。

  4. おぢたま、そうだね!さっちゃんもね、この糸杉と石薬師の並べてあるのを見て 「があ〜ん!!!」ときました。
    展覧会のはじめのところに、まさにそういうことが書いてあったよ。
    「Van Goghの精神疾患は彼の世界を見るまなざしに影響を与え、作品に反映した そのことについては語り尽くされてきた。しかしながら、その側面から作品を分析しようとするあまり、我々が忘れていることがある。それは彼が、自分の生み出したものとは対局にある芸術 ー堅牢、調和、平穏、旅、内面の平和という哲学に根ざす芸術を指向して広重の芸術に目を向けていたことなのである」

  5. 構図って、すごく大切だものね。馬の落し物の絵も、その上の花見の絵も大胆ですな〜。比較して展示してもらえると、わかり易くていいね!

  6. でも、ゴッホの糸杉が広重の構図を真似たとは知らなかった。

    ゴッホはとても絵が上手な人でね、若いころのデッサンなんか素晴らしいんだけど、次第に構図が崩れていって、それって精神の崩壊と関係していたんだろうと理解していたんだけど、どうも、それよりは浮世絵の構図を真似たことで遠近法が崩れたというほが正しいような気がしてきたよ。

    おぢたま

  7. おぢたま、ほんとにそのとおりだねー!!
    浮世絵の構図 山のかたちや、道のまがりくねっているところを、あの四角いなかにおさめるためにデフォルメしているの、それって 現代絵画みたいだ。
    それに 女のひとの美しいこと!!!
    お花見して お弁当を広げている人たちの楽しそうなこと!!
    宿場でお風呂に入ったり 飲み食いしている人たちの賑やかそうな様子・・・ 
    何て人間観察が鋭いのだろうと思いながら・・・いっしょに旅をしたような気分になってしまったsachanです。
    こんな展覧会を考えて実現してくれたひとたちに脱帽。フランスはやっぱりすごい。

  8. MKさん、
    こちらで日本のものを見ると、ほんとうに懐かしくうれしくて、うっとりしてしまいます・・・ おまけに今回はもう「これでもか!」というほど素晴らしい浮世絵のコレクションが、「えっ?こんなに揃っているの〜?」と目を疑いそうになるほど ずらーーーっ と並んでいて、壮観でした。
    こんな経験は初めてです。
    なんでも、オランダの博物館に保存されていたものをパリで展示したそうです。そこにも歴史の流れを感じました。旅に出るとき持って行く「お茶の道具」(担いで歩くようになっているの)もあり、それはシーボルトがオランダへ持って行ったものだそうです。
    うわーーーー感激!!!

  9. うん、浮世絵の視点は素晴らしいね。あの当時の日本だけが持っていた視点かな。この視点はその後の西洋の美術表現に多大な影響を与えてると思う。映画なんかにもそれを感じるおぢたまでしたあ。

  10. 日本に居てもなかなか展覧会にも行けませんが、パリで浮世絵の展覧会とは良いですねー。ゴッホは浮世絵の影響を多分に受けたのでしたね。
    玉三郎さんはフランスで最高の勲章を贈られましたね。
    全く凄い人です。

    ↓の無名のジャンヌダルクは私でした。 何故無名になったのか分かりません。

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