6月29日(火)
東京オリパラ反対の「女性たちの抗議リレー」に参加しました。
アイルランドのコロナ対策について、そしてアイルランドやヨーロッパから日本を見たら「オリンピックやってる場合じゃない」という話をしました。
声をあげる日本の女の人たちとご一緒できて心強かったです。アーカイブから見られます。

現職の時代は学生さんたちの親御さんにもいろいろな意見の方がいらっしゃるし、立場上 政治的な発言は控えるという感じだったので、このような機会に発言するのは初めてです。
実を言うと、話す内容を決めるまで心が重かったのです。
もうここまでくれば、どうせ強行されるだろう。それに教え子や友達のなかにもさまざまな意見があるのに自分が積極的に反対を表明するべきだろうか?と迷っていたのです。
でもやっぱりアイルランドから日本の混沌とした状態を見ていて、どこから情報を得ているかによって意見がばらばらで、ものすごく険悪になっていると感じます。この日本のカオスな状態は、何なんだろうか?と考えました。
まけないぞうを一緒にやっている旧友=主治医から、「外から見る立場から発言して欲しい」と声をかけてくれたので参加することになりました。
アイルランドにおけるコロナ対応、振り返って日本の状況を見る
被災地のことを忘れずに「まけないぞう」をとおして応援する活動を2011年から続けてきました。
そのなかで、どうしてほんとうに支援を必要とする人たちのためにお金を使わずに、オリンピックに莫大な投資をするのかと、常々疑問に感じてきました。
ヨーロッパの国々がそれぞれの国の事情を踏まえてコロナ対策をしています。
アイルランドのように小さな国でも(面積が北海道の8割のところに北海道より少ない人口の国民が住む国、イギリスの植民地にされた辛い過去を背負いながらもEUの一員である国、イギリスのEU離脱とパンデミックの二重苦)、国の総力をあげてロックダウン2回を乗り切って今にいたり、デルタ株の影におびえながらもロックダウンの緩和を進めようとしています(2021年6月29日現在)。
専門家集団のアドバイスに基づいて政府が判断をする、そのデータやプロセスを国民に対して毎日説明し、透明にしている。パンデミック失業手当などの制度を設けて、ロックダウンを決めると同時に補助を速やかに開始しました。
日本政府の判断基準がはっきりしないこと、国民や専門家集団とのコミュニケーションをないがしろにすることは最悪だと思うという話をしました。
参加してみると、一緒に参加した女の人たち(医師、看護師、弁護士、ジャーナリストの方々)の話がそれぞれに説得力があり、いろいろな体験をしておられて、話を聞かせていただいただけでも、勇気をだして参加させてもらってよかったと思いました。
こうして声をあげている力強い女の人たちが日本にいるとわかって、力づけられました。

SNSでも、ロンドン在住の元の教え子や日本のFB友だちの方がコメントを寄せてくれました。
(ロンドンのYさん)
どのような情報に晒されるか、どのような情報を探しにいくか…。そのあたりの感覚からもう「大きな違い」になってしまっていると、メディア側の人間としてあらためて痛感しました。
大衆メディアが常にわるいわけではないですが、しかし大半は「クリックが稼げさえすれば良い」という姿勢のメディアが報じることや、ツイッターなどの匿名メディアで流れる「私の知り合いが言っていたのですが…」のような不審な情報を鵜呑みにし、無責任に拡散すること。それがどれだけ危険なことかわからない人が多いことに恐ろしさを感じました。
イギリスのような国でこのような場合にごくふつうに行われるであろう、首相(または担当大臣)と都知事、科学者、オリンピック主催者が顔をそろえ、データで説明し、各種メディアからの質問に答えるという場を定期的に設け、それをテレビ中継する、というようなことが実現しないからカオスなんだと思います。
(東京のAさん)
そもそも復興五輪と謳い始まりましたが、復興はまだ道半ばであり、毎年災害に見舞われている日本です。
そしてこのコロナ・・・生活困難な国民も多くいます。
失業率や倒産件数など発表されますがその中にカウントされない多くの人たちがいて日々の生活もままならないという現実。区役所に行けば年金払えないと手続きをする人、健康保険も払えないどうしたらいい?そんな相談をしている人のほとんどが女性でした。
雇い止めに最初に合うのは女性、派遣など非正規労働者、それなりの企業に勤めている人はリモートだ在宅だと逆に心身ともに豊かな生活を送る・・・という格差も広がっているように感じます。
オリンピックさえ無ければ生活の支援もコロナ対策ももっと出来ると思うと悔しいです。
「オリンピックを目指して頑張っているアスリートが可哀想」という風潮も分かりますが、アスリートだけが夢を持っているわけではなく、一人一人がいろんな夢を持っている中、こんな状況の中でなぜアスリートの夢を実現させるために我慢しなきゃいけないの?と思ってしまう自分が心の狭い人間なのかな?と自問自答したりしています。
アスリートの皆さんに批判の矛先が行くのは間違っています、そうなるような空気を作る組織委員会や政府が大間違いなんですが、日本人の間でも分断が起きるような今、本当に不安です。
(sachan)
復興五輪とかいうことばがあったことさえも忘れそうになっている、この現実の厳しさに冷や汗が出ます。
弱者を切り捨て「自己責任」ということばの上にあぐらをかいている政治家&「わきまえ」て「輝く」女たちの傍若無人ぶり。
分断される社会の険悪な雰囲気。
声をあげても変わるのかどうかわかりませんが、声をあげなければ何も変わらないことは確かだから、やっぱり今回は参加できてよかったと思います。これからも、まけないぞう。
アーカイブ映像 2021年6月29日
青木さんたちはさらに日本外国特派員協会でも、記者会見をして訴えました。















