3月13日(土)
早起きして午前5時=日本時間午後2時から恩師・吉田研作先生の最終講義をwebinarで拝聴しました。
なんと登録者が世界中から1200名とのこと。
四ツ谷キャンパスの教室で最終講義をできる状況ではなくWebinarになったけれども、そのおかげで世界中から参加できるようになったのは良いことだ、と冒頭に言われていました。
ほんとにそのおかげでアイルランドから拝聴できて、嬉しかったです。
小学1年生 1955年からアメリカとカナダに住んでおられて中学1年のとき(1961年)に京都のカトリック系中学に編入したときには日本語がよくわからなかった(授業についていけない、読めない、書けない)。
それでも中高を通して英語のスピーチや劇をするクラブ活動でとても楽しい時間を過ごして、高校生のときには英語の先生になりたいと思うようになったこと。
上智へ入学してからセツルメント活動でいろいろな環境にある子どもたちに勉強を教えたり一緒に楽しく遊ぶ活動をしていたこと。
上智で助手として教え始めて2年後に、ミシガン大学へ留学する決心をしたこと。
ミシガン大学在学中も現地で英語の指導をしたり日本の文化を紹介する活動をしていたこと。
—今まで触れてきたヨシケン先生の、あの何事にも動じない行動力の裏には、そうした経験と知識と信念があったのだと、あらためて納得したことでした。
80年代以降の上智での教育や様々な仕事について語られたことのある部分は、自分も学生として指導いただき、外国語学部の同僚としてご一緒するチャンスをいただいたのです。
ニッセル先生、ロボ先生、ピタウ先生などSJの神父さん方のお名前も、また一般外国語教育センターでご一緒した頃の写真がスライドに出てきたのも、とても懐かしかったです。
「金魚鉢」のなかの世界だった日本の英語教育(ひいては外国語教育)が、グローバルな時代にあって世界中の人たちと協働する時代へと移り変わってきた道筋を振り返られて、「楽しいことでなければ続けられないし学べないよね」、「たくさんの人に助けられ、巻き込んできたようにも思う」と。
—フランス語出身で落ちこぼれてばかりだったのに優しく指導していただき、巻き込んでいただいて大切な経験をたくさんさせていただいたことに深く感謝申し上げております。個人的には「フィッシュボール」を飛び出してアイルランドまで来てしまって、不思議なことにあれだけ苦手だった英語を毎日使って暮らしています。
教える仕事を離れた今も、周りの人たちと関わりあいながら学び続ける人間として、やはりヨシケン先生の教えが絶対効いていると思います。
これからもどうぞずっとお元気で!またお目にかかっていろいろお話しを聞かせていただくことを楽しみにしております。
1月30日には英語の先生方の研究会zoomでもヨシケン先生のお話を拝聴しました。
そのときの話はASTEの歴史をたどるということだったので、80年代以降の話が多かったのでした。
ちょと繰り返しますが、そのときのメモを以下に。
今朝は早起き。日本時間15時(アイルランド6時)からの英語の先生方の研究会ASTEにzoom参加しました。
恩師の吉田研作先生が3月末に引退されるとのことで、1981年から続けておられるASTEの活動や外国語教育の理論的な発展についてのお話、そして今後の展望について、とても寛いだ楽しい雰囲気のなかで議論が進められました。
吉研先生は1981年にミシガン大学から上智へ戻ってこられたと伺って、それって自分がブザンソンの教員養成学部から上智へ戻ったタイミングだったのだと出会いのありがたさに感謝を新たにしています。
70年代の誤用分析や中間言語という概念、80年代にはコミュニケーション能力Communicative Competence (Canale, Swain, Savignon)、CumminsのBICS and CALP、学習ストラテジーとコミュニケーションストラテジーLanguage Learning and Communication Strategies (Oxford, O’Malley and Chamot)、協働学習、情動的側面やモティヴェーションへの着目、クラスルームリサーチClassroom research (Allwright)といった概念がアメリカにおける研究から提唱されたこと、一方イギリスからはCommunicative Language Teaching (Littlewood)、Notional Functional Approaches (Wilkins, Brumfit, Widdowson)、Functional Syllabus (van Ek, Alexander) Communicative Syllabus (Nunan)、 Task-based language teaching (Nunan, Ellis)といった重要な考えが提唱されて教育現場に反映された流れを話されました。
うわーーー懐かしい!!
苦手でたまらなかった(なにしろ中学高校で全く英語に触れていなかったもので)英語の文献、でも話に必死でついていこうとがんばっていた大学院の日々、日本語とフランス語の教師として実践を重ねた年月、学生さんたちと楽しくやりとりをしていた年月が鮮明に蘇りました。
数字が苦手な田中さっちゃん、統計の授業3度続けて落ちこぼれたことを最終講義のときに吉研先生が暴露してくださいましたよね?笑
それにしても、今アイルランドに来て暮らす毎日のなかでも、自分の生き方そのものが、この頃に吉研先生から学んだいろいろな考え方にがっしりと根ざしていて、だからこそフランス語を学び教えるという職業を超えたところに「一個の人間」として、アイルランド社会の一員として周りのひとたちと深く関わりながら、学び成長を続ける幸せがある、そのことに思い至ります。
現職の頃、フランス語学科の仕事においても、悩んだり困ったときは、いつも朝の早い吉研先生の研究室へちょっと立ち寄って話をきいてもらって勇気づけてもらった日々が懐かしいです。
何十年経っても、ちっとも変わらずにポジティブで優しくてパワフルな吉研先生、あらためて深く感謝です。
そしてこれからもどうぞお元気で後に続く先生方、研究者の方々へのご指導を続けていただきたいです。
またお目にかかる日を楽しみにしております。

ほんとうにありがたくて忘れられない思い出です。
統計に3回続けて落ちこぼれた大学院時代のことを暴露されて、会場が笑いに包まれた。

