7日間ブックカバーチャレンジ Les 7 livres que j’ai choisis, mai 2020

Le coronavirus oblige tout le monde à rester à la maison et parmi mes amis japonais sur SNS, on avait ce phénomène de faire un ‘challenge’ avec différentes photos à partager. Ça pouvait être ’10 moments les plus heureux de votre vie’, ou bien ‘une photo de vous même étant bébé’ , ou encore ‘un repas japonais avec une soupe miso’ ! Et puis il y avait cette série ‘les couvertures des 7 livres’.
D’habitude je n’aime pas du tout ce genre de trucs et j’ai tendance à ignorer, mais c’était intéressant de voir mes anciens collègues et amis poster leurs livres préférés. On pouvait ne pas expliquer et simplement mettre la photo de la couverture, mais certains ont écrit des textes pour accompagner leur choix. Alors voilà c’était les 7 livres que j’ai mis cette fois-ci.
Est-ce qu’il y en aura d’autres que je choisirai dans quelques années?

「7日間ブックカバーチャレンジ」というものがSNSでまわってきて、7冊の本を選ぶことになりました。普通はこういう「手紙をまわす」的なものは好きじゃないのですが、昔の同僚や恩師や友だちが選んでいる本や、その本についての思いを語っている様子を見せてもらうのがとても楽しかった。
最初は半信半疑で始めましたが、とても面白くて やってみてよかったなーと思うようになりました。
2020年5月現在、自分の選んだ本は、この7つです。

尊敬してやまない大学者 伊波律子先生のご著書はどれも素晴らしい。
この他に「破壊の女神 中国史の女たち」(新書館)や「中国文章化列伝」「奇人と異才の中国史」「中国の五代小説(上、下)」(いずれも岩波新書)、「裏切り者の中国史」(講談社選書メチエ)など。躍動する人物たち、波乱の中国史の世界へと、伊波先生の格調高い文章で旅する時間は格別のものです。
度重なる引越しにもずっとついてきてくれた本です。

「土佐源氏」の話に出てくる「奥様」の寂しそうな気高い姿が、暗闇のなかの光明のよう。
 神戸CODEの吉椿さんからコメントをいただいて嬉しかった。
「歩く巨人、宮本常一が大好きで、著書は、ほとんど持っています。宮本常一の歩く、見る、聞くというフィールドワークの基本は、いつも被災地に入る時に心がけています。忘れられと日本人の中の対馬の寄合の話は、民主主義、合議制を考える時に非常に参考になり、大学の講義でもよく引用します。民俗学の旅もすごく好きです。田中さんがこの本を取り上げてくれて何か嬉しいです!」
(さ)「あの寄合のゆるやかな時間の流れ、話し声、夜の闇、山のなかの道。集まっている人たちの顔まで見えそうな文章は、ちっとも古びることのない宝もののように何度でも読み返したくなります。吉椿さんの話を大学の講義で聴くことのできる学生さんたちは、なんと幸せなんでしょう!!」

 母国語でないことばで書かれた小説。
 この他にもエイミー・タン ジョイ・ラッククラブ なんていう本も大好きなのです。
 神楽坂にとても良い本屋さんがあって、ふらーと立ち寄っては何冊も買ってきて夢中で読んだ時代がありました。あの本屋さん健在かな?と少し心配。隣の肉屋さんのコロッケも美味しいのです。
 あそこをもう少し赤城神社のほうへ登って、裏へ入ったところに、とても素敵な器のお店もあって。仕事帰りの楽しみな散歩コースでした。そして思わずお皿とか買ってしまって。

 江戸っ子代表の 池波正太郎 大好きだけれども、藤沢周平はしみじみ哀しかったり少しだけ希望がかすかに見えたりするところが好きです。
 江戸時代に旅立つと、浮世の憂さが忘れられます(ときどき)。

 辰巳芳子さんのことばが美しくて、毎日の料理をすることが嬉しく幸せなことだと再確認させてくれる。心を整えていっしょうけんめい作って元気でいようと思わせてくれる大切な本です。フランスやスペインで学ばれたことと、和の伝統とが渾然一体になっているところも、大好きなのです。
 映画を妹と銀座に見に行って(たぶん一時帰国中だったのだと思う)最後はふたりとも感動して涙が出てしまったのでした。あの生命のしずくの一滴一滴のイメージも美しかったけれど、ハンセン病のひとのところを訪ねてお話しされる場面や、新婚早々で出征されて亡くなってしまったご主人のお話など とても心に残る映画でした。そうして、わたしたちの生活の土台が食にあることをずっと教えてくださった辰巳芳子さん。素晴らしい。

 吉村昭は私たちの親と同年代 青春時代を戦争の暗い影が覆い尽くし、辛くも生き延びた「昭和一桁」。わたしは中学生の頃に心臓移植を扱った「神々の沈黙」を学校の図書館から借りて読んで衝撃を受けて以来、長編随筆などほとんどの作品を片っ端から読んできました。特に「生麦事件」、「関東大震災」、「大本営が震えた日」。そのなかで、この「戦史の証言者たち」は常に綿密な取材を積み重ねた吉村が、当事者の証言をインタビュー形式で再現し遺した名作です。
 たとえば、山本五十六連合艦隊司令長官の護衛任務についた戦闘機隊のただ一人の生き残りである柳谷氏。生い立ちから語りおこして、司令長官の護衛勤務につき、アメリカ軍の戦闘機団と空中戦になり、右手を失って戻り、戦後東京の郊外で暮らす取材当時までの事実が淡々と語られます。
 「太平洋戦争は既に歴史のひだの中に埋もれかけている」と昭和56年夏に記したあとがきで吉村は述べています。著者を含めて戦争の記憶を踏まえ戦後の長い年月を生き抜いた方々も、皆さん冥府へ旅立たれた今、後に続く世代のわたしたちも、壮烈で異常なあの時代の悲嘆と絶望の記憶を決して忘れてはならないと思うのです。

 6日めまででストップしてました。実は最後の7冊目をどの本にしようかと考え込んでいたのでした。1冊目に挙げた著者・伊波律子先生の他の本もあるし、谷川俊太郎さんの詩に佐野洋子さんの絵がついた詩集もあるし、あれもこれも。。。しかし、英語圏の季節の移り変わりや食べ物のことに目を開くきっかけを作ってくれた、この素敵な本が、わたしにとってはやはり7冊目にふさわしい。それまでフランス語文化圏に深く入り込み親しんで、ずっと生きていたけれども、北の国イギリスの早春のスノードロップの花やブルーベルやプリムローズの季節、そんな季節に作るお菓子、秋にはマーマレード、フランスでは見たことのないスチームプディング。
 似ているようでもフランスのタルトやキッシュやガトーの世界とはっきりと一線を画した伝統に根ざすイギリス語圏の雰囲気を美味しいものを通して感じることができて、とても新鮮に感じたのです。アイルランドに暮らすようになる日が来るとは、想像もしていなかった頃の不思議な出会いでした。単なるレシピの本というよりも、文化の深いところを流れている季節の移り変わりや、丁寧に優しい暮らしをつくっている人たちの心が感じられるような、ほんとうに暖かい本。ずっと大切に持っていたい本です。
 この本に出会った頃 90年代の中頃は個人的に震災での死別という辛い経験を経て大きな転機を迎えた時期でした。美味しい味、優しいお話と美しい季節の花々にほんとうに力をいただきました。
 「フランスかぶれ」なので、イギリス語圏の食事に関しては、めっちゃイメージが悪かったのですが。。。。確かに美味しくないものは爆不味いけど笑 ぜんぜん違った美味しいものもあることが、だんだんわかってきました。何よりも、いまの連れ合いの「懐かしい美味しいもの、子どものころから慣れ親しんだ味」の世界を理解しようとするきっかけとして、この北野先生のご本をみようみまねで作ってみて、喜んでもらえたことから、少しずつ広がっていったのです。美味しいものを出発点に話がはずむ暮らし、和やかな雰囲気。そういうことを限りなく大切に感じます。

「7冊の本」のリレーは楽しんで選びました。他の方々もそれぞれに、ご自分の大切な本を載せておられて、とても楽しいですね!「7冊しか選ばないとしたら、どの本になるのだろうか、自分がその大切な本にどんな思いを抱いたのか」と振り返ってみることで、気づきがあるように感じました。

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